内視鏡について
無痛大腸内視鏡(大腸カメラ)
水浸法
大腸内視鏡(大腸カメラ)は、スコープとよばれる細い管を大腸の中に挿入し、大腸の中に病気がないか調べる検査方法です。
大腸をすべて調べるためには、スコープを肛門から入れて盲腸まで到達させなければなりません。
大腸カメラは、通常空気を入れながら少しずつスコープを進めて盲腸まで到達させます。しかし空気は入りすぎてしまう傾向にあるため、腸は風船のように膨らんでしまいます。その結果スコープを入れる操作で腸が伸びたり捻れたりするため、強い痛みが生じます。
当院で行う大腸カメラは、水を少しだけ入れてスコープを進ませていき、盲腸まで到達させます。空気を全く入れずに挿入する「水浸法」とよばれる検査方法です。
腸を押さずに、たぐり寄せるように入れていくため、腸に負担がかかることがありません。安全で痛みがなく、楽に受けられる検査方法です。
水浸法の特徴
- 腸を押すことなくスコープを挿入できるため、腸が伸びたり捻れたりすることがない。そのため痛みが出ない。
- 空気を全く入れず、水を少ししか入れないのでお腹が張らないので痛くない。(通常空気の方法では空気は1〜2L入る。水浸法では100ml〜150ml程度。)
- 腸の中に水があるため、すべりがよく、摩擦抵抗が減るため、スコープがスムーズに入る。
- 腸は人によって様々であるが、すべて定型化されたワンパターンで挿入できるため、安全で痛みのない検査ができる。
- 腸が真っ直ぐな状態でスコープが入るため、ポリープ切除の時に正確で安全な治療ができる。
水浸法では90%以上の方は麻酔を使わなくても痛みを感じることはありません。しかし痛みは肉体的要因だけではなく、検査に伴う不安や緊張からも生じます。痛みの感じ方は人によっても違います。
当院では精神的な不安や緊張を和らげ、患者様に楽に検査を受けていただけるよう、少量の麻酔を使います。使う量はわずかであるため、安全に、苦痛なく検査を受けられます。
大腸カメラの検査時間は10分前後です。検査は経験豊富な内視鏡学会専門医が行います。
安心して検査を受けられてください。
全検査NBI拡大内視鏡
NBI拡大内視鏡とは:
NBI(狭帯域光観察)とは2つの短い波長の光を粘膜にあてることで粘膜の細かい表面模様や毛細血管をくっきりと映し出す技術です。拡大内視鏡は顕微鏡のついている胃カメラ、大腸カメラです。がん等の病変を80〜100倍に拡大して詳細に観察することができます。NBIと拡大内視鏡を組み合わせることで、微小な胃がん、大腸がんを発見できます。また通常の内視鏡では発見できない小さな咽頭がん、喉頭がん、食道がんを発見することもできます。
当院では最新式の内視鏡機種「EVIS LUCERA ELITE 290シリーズ」(オリンパス社製最上位機種)を使用します。胃カメラも大腸カメラもすべて最新式のNBI拡大内視鏡で行います。
内視鏡用炭酸ガス送気装置を使用:
当院では、内視鏡検査観察時に、空気ではなく炭酸ガスを使用しています。炭酸ガスは胃や腸の壁からすばやく吸収されるため、通常の空気よりもお腹の張りや違和感等の苦痛を大幅に軽減できます。内視鏡検査で炭酸ガスを導入している医療機関は、熊本県内でもあまり多くはありません。